芝生VSおれ

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隣の芝は青い

他人の持ち物はよく見えるものだといった意味のことわざだが、うちに関してはこれは事実である。
両隣の庭の芝はよく手入れされていて、きちんと刈り揃えられている上に青々としている。
対してうちの芝は、冬の間思う存分ほったらかしにしておいたおかげですくすく育ち、風の走る姿が見えるほど生い茂っている。日頃寝癖を髪型だと言い張っているおれさまだが、さすがに「長めに育てているんです」と考えるのも限界に達してきたので刈ることにしたのだが・・・。

2005年5月初旬
芝刈り機を求めて何度かホームセンターを物色してみた。燃料式や電動式のパワフルそうなモデルに興味を引かれるが、年に何回も使うものでもないわりに高価だし置き場所にも困る。電動式で片手で持つバリカンのような形のものにしようかと思ったが、バリカン片手に庭を這いずり回るのは電動の割にあまり楽ではなさそうなので躊躇し、何も購入せず。

2005年5月8日
近所のホームセンターへ園芸用の土とプランターを買いにいったついでに、芝刈り用のはさみを購入。散々迷ったあげく手動を選んだ地球に優しいおれさまは、買った時は、そんなに広い庭ではないから何とかなるだろうと考えていた。うちに帰ってさっそく刈り始めたが、全体の8分の1程度刈ったところで握力がなくなり、腕が上がらなくなった。手動はやっぱりきついな、なんて考えながら作業を切り上げたが、不意に右手に違和感が。見ると、親指の付け根の皮がべろんと剥がれていた。芝からの反力に手の皮が耐えきれなかったらしい。動揺してとりあえず風呂に入ってみたが、案の定染みるような痛さ。

2005年5月9日
傷に絆創膏をあてがって仕事をする。いたい。

2005年5月10日
肉がだいぶ盛り上がって来た。

2005年5月11日
ほとんど痛みを感じなくなった。
週末はいけそうだ。

2005年5月14日
ふたたび芝と相まみえる時がやってきた。
天候は曇り。風は微風。芝を刈るには絶好のコンディションだ。
今回は素手ではなく軍手を着用する。できる男は2度同じ過ちを繰り返さない。

14:00
作業着手。先週刈った部分の続きから始める。
右手の傷が若干気になるが、軍手のおかげで手は守られている。これならいける!

14:40
淡々と作業が進むがまだ半分くらい。
刈っても刈ってもわさわさ生えてやがる・・・!
だいぶ疲れたからあとは翌日か翌週にしようと考え、いったん作業中断。

14:45
こんなに中途半端なところであきらめていいのか?
言い訳ばかり考えていないで、最後まであきらめずにやり遂げろよ!
てな感じで作業再開。

15:20
午前中からかけっぱなしだったiPodの電池が切れる。
フル充電したのに6時間しか動いてないじゃないか!

15:30
巨大ミミズと遭遇。気さくに挨拶を交わす。

15:50
いよいよあとちょっとなんだけど、最後の場所がすごく生い茂っている。
ここだけ明日にしようかな・・・。

15:52
いやここまで来たんだ、最後までやろう!

15:55
巨大ミミズ(2)と遭遇。お互い励まし合う。

16:05
小さな蜘蛛と遭遇。邪魔してごめんよ。
おれさまは、なんとしてもやり遂げねばならんのだよ。

16:10
ついに全面作業完了!
膝はがくがく、握力はなく、腕が上がらない。しかしおれさまはやり遂げた。

思えばこれは芝生との戦いではなく、自分との戦いだった。
弱い自分と戦い、傷を負って何度もくじけそうになりながらも・・・刈った(勝った)!

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刈り取った芝。少ない袋数で効率よく詰めるため、ずいぶん圧縮している。
ゴミ袋の中の圧縮率は、ドン・キホーテの圧縮陳列と同等かそれ以上を誇る。

それにしても芝があまりにも伸びていて、芝というより稲刈りの様相を呈していた。
あと、刈った芝があまりに長いので、途中から芝が水菜に見えて仕方なかった。