オトナの社会見学

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縁あって、工場見学をし行ってきました。
訪問したのは、液晶パネルや半導体などを生産するための装置を設計・製造している企業です。模擬クリーンルームに入って実際に稼働している機械を間近で見せていただいたり、事務所や工場を何カ所か案内していただき、ほんの触りだけですが製造の現場を体験することができました。

工場の中は整然としていますし、工程やモノの置き場、導線、手順などがすべて決まっていて、実に効率のよい仕事をしているな、という印象を受けました。大勢でひとつのものを作る、それも高い品質のものを安定的に量産するということはこういうことなのだ、と目の覚める思いがしました。ウチの会社の人は、みんな一度見た方がいいでしょうね。高品質と低コストは全員で取り組まないと実現できない、その覚悟を肌で感じるべきだと思います。
また、機械に取り付けられた赤、黄、青のシグナルや、異常時の操作法などが掲示されている掲示板などを見ると、「見える化」という言葉が自分の中にあらためてインプットされるようです。製造の現場としては、これらの取り組みのどれも当然のことで珍しくも何ともないのでしょうが、日本語学→専門商社→Web制作会社という道を歩んできたぼくにとっては、本で読んだり人づてに聞いていただけのありふれた言葉が、一気に具体的な輪郭を持って手に取れる形に変化したような印象を持ちました。
また、今回は「従業員の家族を職場へ招く」というイベントに便乗させてもらったのですが、こういった取り組みや社員食堂の低料金さ、階段の左側通行が館内で徹底しているといった、従業員満足や労働環境衛生的な取り組み、また「デスクの上の電灯から紐が出ていて、席を外すときには自分で消灯して節電する」といった独自の文化、何よりもそこで働く従業員一人一人の表情や空気感を直接感じることができるなど、貴重で刺激的な体験をさせてもらいました。
知識だけで分かった気になるのではなく実際に目の当たりにすると、より具体的な印象をもって、肌で感じることができます。自分の目や耳で現場に触れて事実を知るということに、もっと労力を割くべきだと思いました。特に普段の自分は、GoogleやWikipediaで「調べたつもり」「知ったつもり」になっていますが、そんなんではロクな提案なんかできるワケねーよ!と反省しきりです。