身近な抵抗勢力

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年明けから勤め先の就業規則が変わることになり、9:30-18:30だった就業時間が9:00-18:00に、30分ずつ早まることになりました。業務効率を向上させることで、経営の効率化や従業員の深夜残業低減などの効果を狙ったものです。ぼく自身はその取り組みにはおおむね賛成なのですが、はじまる前から「安直だ」とか「仕事の時間が延びるだけ」「どうせ残業することには変わりない」「人の生活リズムを勝手に決めるな」などと議論?が白熱しています。そういう反対意見を聞いて、ぼくは「なんだか既得権益にしがみつく抵抗勢力のようで、正直みっともない」と思いました。
文句を言う人は、だいたいいつも同じ人のように思いますが、そういう人たちは、「会社」が何を決めてもたぶん気に食わないし、とにかく(陰で)文句を言わずにはいられないんでしょう。こうした人たちには、傍から見ていて不満を感じます。与えられたルールに不備や不満があるなら、しかるべき人に対して代案を出して改善提案をすべきだし、それができないのなら、黙って従うべき。(すでに正式に異議を唱えている人もいるかもしれませんが)
「ザ・ゴール」という本を読んだときに、「生産システム全体の能力の上限は、一番能力のない工程で決まる。それは鎖の強度は一番弱い環で決まるのに似ている」というような話がありました。これと同じ考え方で、組織のパフォーマンスは、一番能力の低い人のパフォーマンスが上限となる、とも言えると思います。誰か一人でもサボる人がいると、他の人がいくらがんばって引っ張ろうとしても、組織全体としての効果が出なくなってしまうんですね。だから今回の決定を受けて本当に早く帰るためには、文句を言っているその人たちこそが率先して取り組まなければならないのです。
また今回の決定は、従業員のAさんやBさんのための施策ではなく、会社組織全体の効率を上げ、波及効果でステークホルダーにもメリットをもたらそうというための施策だから、トップダウンでの意思決定になるのは自然なことだと思います。組織全体を見る俯瞰的な視点がないまま、自分への影響範囲だけを捕らえて「会社が悪い」的な文句を言うのは、無知をさらけ出したり思考を放棄しているようでみっともないと感じました。

なぜこんなことを力説しているかというと、「出勤時間を早くすれば早く帰れる」という取り組みを、個人的にやって失敗したことがあるからです。実はちょうど1年前に、「早く来て早く帰ろう」と思って、個人的に9:30出勤のところ8:00過ぎには出社するようにしていた時期がありました。早朝は通勤電車は空いているし集中力もあるし、また昼間のような電話対応などもなく、大変効率的に仕事をこなすことができました。しばらくの間はよかったのですが、しかし1ヶ月ほど続けたところで体調を大きく崩し、結局早起きが原因で、かえって仕事に支障をきたす結果になってしまいました。
今振り返ってみると、原因は「自分だけでやっていたから」だと思います。自分以外の周りの人はいつもどおりの時間の使い方をするので、夜の打ち合わせなどもそれまでと変わりなく行われ、結果、早起きの時間分だけ睡眠時間を削って体力を失うことになってしまったのです。そんな個人的な苦い経験から、全員で「早く来て早く帰る」に取り組めば、早起きのメリットを全員で享受でき、かつ早く帰るのが十分実現可能だと思っています。だからみんな、文句言ってないでやりましょうよ、と。

そんなぼくにも、今回の変更には1点大きな不満があります。それは朝の通勤ラッシュにモロかぶりになってしまうこと。これまで世間と30分ずれていることで微妙にズレ勤できていたのに、それを封じられてしまうのです。ふだん利用しているのが日本一混雑するとも言われる私鉄(以前、堅牢なことで有名なはずのThinkpadを破壊された)だけに、その列車の混雑ピーク時に乗らなきゃならないなんて、いまからストレスで口内炎ができそうです。誰か何とかして!

2006.12.14追記
と、ここまで書いておいてなんですが、やっぱイヤかも。
実際問題、早起き苦手なんですよね〜。
朝はお腹の具合も良くないし。