ソーシャルメディア利用の費用対効果について考える

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ソーシャルメディア利用の費用対効果について考えています。ソーシャルメディアは傾聴や対話の場だと思っているのですが、既存顧客や潜在顧客に対して「傾聴したらいくら儲かるか?」という問いはちょっとナンセンスなのかも、と思っています。

例えば昔聞いたうわさ話ですが、メルセデスベンツでしたか、高級輸入車のディーラーさんでは、相手が小さな子どもであっても大人と区別せずに接客をするそうです。子どもがクルマを買う訳でもないのに、なぜ接客をするのでしょう?その親がターゲットだという理由もあると思いますが、その時聞いた本当の狙いは、その子が大きくなったときに自社ブランドをいい思い出とともに思い出し、再び来店してくれるように(そしてあわよくば買ってくれるように)ということだそうです。

また、ちょっと価格帯が高い料理店へ行くと、注文した料理が注文した人のところへ運ばれてきますよね。廉価なお店だと「○○をご注文の方〜?」と毎回聞かれて答えなければならないのと対照的です。リッツカールトン方式の「お客様」ではなく「○○様」と名前で接客する話も有名です。そうした扱いを受ければ、自身が「また行きたい」と思うのと同時に、「大切な人を連れてゆきたい」と思うのではないでしょうか。

人が「あれとこれ、どっちがいいと思う?」と人に相談する時、実は8割くらい気持ちが決まっているということはないでしょうか?自分はそうです。相談と言いつつ、実は自分の考えを確かめたいだけだったりしますよね。では、いつの間に自分の考えを固めるのでしょうか。それはやはり、普段の生活の中ですよね。日常生活を過ごしている中で情報収集をし、身近な人と対話しながら考えたり決めたりしている。

ソーシャルメディアは、個人と個人が対話するツールのひとつです。普段の生活の中で使うものですし、その場で普段から接客や交流をして心地よい体験を積み重ねておくことで「お客様対○○業の会社」から「○○さん対○○社(の○○さん)」という関係性を築いておく、そのためのツールなんだと思います。

そんなわけで、ソーシャルメディアを利用したらいくら儲かるのかというのはナンセンス、その場で築いた関係そのものが企業にとっての価値であり、資産なんだと考えています。

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ソーシャルメディアのROI、必要なのは大体の目安
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そうすることが購入に結び付くであろう、ということは想像できますし、Twitterの質問に答えた企業から購入する可能性が高い、という調査データもあります。