レンタカーはプリウス(結婚10周年沖縄旅行)

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今回のレンタカーはプリウスでした。ハイブリッドカーを運転するのは初めてなので、運転するのを楽しみにしていました。

エアロダイナミクスを追求した流線型のボディ形状はかっこよくて、どちらかというと好みです。運転席に乗り込んで真っ先に戸惑うのが、ATのセレクトレバー。独自の形状と操作手順になっていて、初めて目にしたら何をどうしてよいか分からないので固まってしまいますね。勘で何となく使い始める事はできましたが、しばらく「B」レンジの意味が分かりませんでした。あと、足踏み式のパーキングブレーキはスピーディーな操作がしにくいし、左足で走行中のフットブレーキ操作をする自分にとっては、ペダル操作時に左足のつま先がパーキングブレーキに当たって不快でした。
走り始めて真っ先に感じたのは、アクセルを踏んでも前に進まない?という戸惑いでした。はじめは電気モーターで走り出すようなのですが、どうもこのレスポンスが普段慣れ親しんでいるガソリン車とは全く違うのです。アクセル操作への反応の鈍さは、気持ち悪くて仕方ありませんでした。

シートはフカフカして気持ちいいのですが、サスペンションやタイヤも含めてなんですかね、全体的にフワフワし過ぎだと感じました。ちょっと速めに交差点を右折してみたときには、そのまま左側に倒れるかというような不安定さを感じました。入力に対して妙にピコピコ突っ張るくせに、ここからというところで速攻腰砕け、みたいな。あの不安感、恐怖と言ってもいいですね。

ブレーキは普通に効いてくれるのでその点での違和感はなかったのですが、ステアリングやアクセル操作にいちいち機械が介入してくる感じでダイレクト感がなくて、どうも路面を遠くに感じてしまいます。おかげで自分でクルマを操作している感じが希薄なんですよね。こちらの操作とは無関係に勝手にエンジンが掛かったり止まったりもするので、いわゆる古典的な運転の楽しみは皆無だということがよくわかりました。ハイブリッド車にはこれがあたり前なのかもしれませんが、それにしても人間の操作や感性をクルマが拒絶しているような印象もあって、だったらいっそのこと勝手に自動運転してくれよと思ってしまいます。

基本的に車内は静かなのですが、それは電気モーター主体で走っているときの話。高速道路でガソリンエンジンが回っているときにはそれなりに騒やかな音がします。とはいえ遠くの方でうなっている聞こえ方なので、うるさくて不快という事はありません。ハイブリッドシステムやカーテンエアバッグなどの装備にはお金が掛かっている印象ですが、一方でインパネやステアリングに使用されている樹脂パーツの質感など、直接手に触れたり目にするような部分については、車両価格を考えるとずいぶん手を抜いて安く作ってある印象を受けました。フロントのウォッシャー液を噴出したら液だけ出てワイパーが連動してくれなかったり、クルーズコントロールがついていないのには心底がっかりしました。この辺りは、高価なハイブリッドシステムを普及させるためや、カローラシリーズに変わる国内販売台数首位奪取という宿命のために車両価格を抑える必要があったんだろうなとか想像はできるのですが、そのしわ寄せなんでしょうか。見えないところだけでなく、見えるところや手に触れるところに及ぶまで、安くできるところは徹底的に手を抜いている印象でした。ある意味メリハリがきいているというか、「これで十分でしょ」「ハイブリッド車を売ってあげてるんだからありがたく思いなさい」と消費者をバカにしているんじゃないかというか。ハイブリッドシステムだけではなくほかの要素も欲しければレクサスを買いなさいというメッセージだと理解しました。

個人的には、燃費向上のために重くて高価なハイブリッドシステムを積むよりは、マツダのSKYACTIVテクノロジーのような方向性を支持します。クルマを運転する楽しみに磨きをかけながら軽量化や各機関の高効率化で環境性能も向上させようというのはクルマ作りのアプローチとしては真っ当だと思います。また、材料の調達や製造工程、購入後のメンテナンスといったクルマのライフサイクル全体を考えると、ハイブリッド=環境に優しいとは言い切れないと思いますので、その意味でもSKYACTIVはアリというか、もっと評価されてよい思います。

さて4日間プリウスを使ってみての感想ですが、総じて「悪くない」と思いました。乗る前に想像していたよりもずっとまともな動きをしてくれるし、ゆっくり走っている分には乗り心地もいいし静かで快適でした。ただ、運転を積極的に楽しむようなクルマではないので、自分にとっては「積極的に所有したい」と思わせてくれるクルマではなく、できれば誰かに運転してもらって自分は助手席か後ろの席で寝ていたい、そんな印象を持ちました。タクシーには最適でしょうね。
新しいものが好き、とにかく燃費のよいクルマに乗りたい、リセールバリューは高くないとダメといったニーズにも応えてくれますね。ただ、アクアが出たので今後はそっちの方が売れるかもしれません。要するに自分は買わないし、売れようが廃れようがもうどうだっていいと思いました。はい。