父の死

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2007年8月1日20時57分、父が亡くなりました。食道癌が原因で、62歳でした。入院した時にはすでにリンパ節への転移がみられ、当初は手術を目指して治療をしていましたが進行が早く、手術前に行った病巣の縮小を狙った抗がん剤治療も効果がなかったため、結局手術ができませんでした。治療困難になったあとは、当初入院した京大病院から日本バプテスト病院ホスピス科に転院し、そこで最期をむかえました。京大病院では担当の医師とゆっくり話ができないし、家族ともゆっくり話すことができませんでしたが、バプテスト病院では個室で家族みんなと静かに落ち着いた時間を過ごすことができたので、本人も家族も救われました。入院中に本人が苦痛を訴えることはあまりなく、最期まで自力で呼吸しながら眠るように息を引き取りました。いまでもまだずっと眠り続けているように思えます。ホスピスのケアは見事でした。何ヵ月も待つのが常だというホスピスですが、ここにすぐに転院できたのは運が良かったと思います。
亡くなってからの数日間は多忙で、とても長く感じられるものでした。本人が、自分の亡くなった後のことまで事細かに段取りをして逝ったのが、最期まで父らしかったと思います。これからは母と兄と私、そして私の妻をはじめとした残された家族で支えあって行きてゆこうと思います。特に母にはさみしい思いをさせたくないし、これからの人生を楽しんでもらいたいです。
それにしても最初の入院から亡くなるまで4ヵ月、ホスピスへ移ってからはわずか1ヵ月弱という期間の短さに、がんという病気の恐ろしさを感じます。早期発見、早期治療のための定期健診の受診を、世の中に強く訴えたい思いです。