山梨県南アルプス市、北岳のふもとに位置する「芦安キャンプサイトNo.2」さんを見学してきました。人里離れた山間にあるこちらのキャンプ場、人手不足などの事情により閉鎖されていたところを現在の運営者さんが復活させたというストーリーを持っています。富士山に次ぐ標高日本2位の北岳のふもとだから「No.2」。
全体
山の中にひっそりと佇む隠れ家といった趣で、日々の喧騒を忘れてゆっくりと非日常を楽しみたいという向きにはぴったりだと思います。ここでは静かにのんびり過ごすのがいいんじゃないかな。キャンプ場自体は全体的にコンパクト。オートサイトではないから車は横付けできない。電源もないし、設備は必要最低限といったところ。いわゆる「高規格」ではありませんが、これもまたキャンプの醍醐味かもしれません。これまでに行った中では大きさは全然違いますが朝霧ジャンボリーとか、こぢんまり系でいくと不動の滝自然広場オートキャンプ場や湯沢リバーサイドキャンプサイト&カフェに近い雰囲気でしょうか。
サイト
サイトは御勅使(みだい)川に向かって下がるひな壇状になっており、上から管理棟・水場〜ソロサイト〜フリーサイトという順になっています。サイト自体はほぼフラットな芝生になっており、「傾斜あり」という事前情報から想像するよりはずっと使いやすそうでした。芝生なのでペグは打ち込みやすそうでした。登山者向けのソロサイトは、北岳などへ登る方が前泊で利用されることが多いそうです。登山用ソロテント1つだけの前提なので、タープを張るスペースはありません。広河原行のバス停が近いのでなるほど納得。登山者向けには、レンタルテントを利用すると片付けずにそのまま出発できるというサービスもあるそうです。これは画期的では?
フリーサイトは10張りくらいでいっぱいでしょうか。ただ、あまり窮屈にならないように予約時点でコントロールしているそうですので、無理やり詰め込まれるということはなさそうです。そのかわりドタキャン厳禁でお願いします。
一番下の段には、常設のグランピングテントも用意されていました。
アクセス・設備
サイトの案内にはカーナビには「南アルプス温泉ロッジ」または「白峰会館」を設定するとよい、とあったのでそうしましたが、本当にこの道であっているの...?と不安になるくらい、道がだんだん狭くなりました。でもそれであっています。「市営第3駐車場」を奥に進み、すこし下るとキャンプ場入り口へ到着するということでしたが、第3駐車場脇にある「トイレ」の小さな看板も目印になるかもしれません。ぼくの場合、たまたまトイレを見つけたので立ち寄ったらそこが目的地というラッキーが起こりました。入口の橋が怖い(せまい)。「恐怖の鉄橋」と名付けましょう。幅2m以下の車は通行できるということでしたが、5ナンバーのデミオでも怖かったのでおとなしく手前に駐めました。
サイトは段差がありますし、駐車場が遠くになってしまう人もいると思いますが、そんな方向けに運搬用カートを貸してくれるそうです。屋根付きの炊事場・水場(BBQ場)、そしてピザ窯もありました。
周辺環境
なんといっても「川のそば」というのが魅力だと思いました。比較的平坦な芝生と、すぐそばにある大きな川。なかなか貴重なシチュエーションではないでしょうか。不動の滝自然広場オートキャンプ場はもっと川との距離が近かったもののサイトは砂利でしたからね。柔らかな芝生の上でゆったりしながら、川の音に耳を澄ませる...。いいですね。川自体はキャンプ場ではないのでテントを張ったりはできませんが、御勅使川を借景に自然との一体感を楽しむのが適しているように思いました。
キャンプ場内には温泉もシャワーもありませんが近くには温泉もあるそうですし、前述したような登山者向けプランや登山口へ向かうバス停が近い立地なので、南アルプス登山の拠点としても価値がありそうです。
本当は宿泊したかったのですが微妙に調整がつかず、それはまた別の機会に楽しませてもらうことにします。冬季休業だそうなので、来年の春かな...。